隷属の華【二】
「荀文若。これよりは帝の御為、微力ながら才を尽くします」誂えた青い装束に身を包み、荀彧は最上の礼を示した。
「そなたが、荀彧か」
なんとも弱々しい、子どもの声色が頭上から届いた。
それをあっさりとかき消すかのように、濁った声が続いて響き渡る。
「やっと潁川からも見込みのある奴が来たようだな。何年も推挙を渋っていたかと思えば、このような奴を隠していたとは」
「……っ」
「何をしている、陛下の御前であるぞ。面を上げんか」
「は、はい」
恐る恐る、荀彧は伏せていた顔を上げた。
「よろしく、たのむぞ」
まだ少年にすら満たない幼子が、生気のない顔で玉座に座っていた。動乱の波に今にも呑まれてしまいそうで、痛ましい。
そして隣には、対照的なほどに図体の大きな男が控えている。否、控えているというにはあまりにも存在が大き過ぎた。無論、悪い意味で。
「ほぉ……これはまた、随分と見栄えのする顔立ちよ」
「っ……」
舐める様な、悍ましさを伴う視線に、荀彧の背筋は否応なく強張った。
黄巾の乱の鎮圧にも功があり、異民族相手にも引かなかったと噂には聞いている。
宦官に拐かされていた幼い先帝と帝を保護して洛陽に帰還し、混乱した宮中をたちどころに把握したとも。
もしも、そこまでであれば。一癖二癖はあろうとも、それなりに何かが傑出した人物ではなかろうかと、評価を受けるに値したかもしれない。
しかしながら、己が一存で先帝を玉座から引きずりおろし、新しく帝を擁したことは、許されざるべき越権行為である。その不遜さ、決して漢室の矛となり盾となるような器ではない。
そして今。玉座の向こうより見下ろしてくる男の異様な圧を見て、その思いは確信に変わる。
この男は、危険だ。
己が欲を満たすためなら、この先、どのような悪事も成し遂げてしまうだろう。
「荀彧といったな。貴様をまず…………守宮令に任命する。宮中の皆、そして陛下が使う大事な紙と筆だ。いかに地味な仕事であろうが、決してその責務怠るな」
「はっ……慎んで、拝命いたします」
荀彧はもう一度最上の礼を尽くしながら、帝を仰ぎ見た。
背後にいる董卓に怯えているのは、一目でわかる。帝とはいえいたいけな幼子だ。国を背負うにはあまりにも、小さい。
「…………」
救いを求める様な眼差しをこちらへと向けてくるのが、荀彧には耐え難かった。
今の自分に、この帝を救う力も、権限もない。それがたまらないほど歯痒く、申し訳なかった。
「彧……もしや、彧ではないか?」
玉座の間を出て数歩行ったところで、背後から声をかけられた。
「はい……?」
振り返ると、浅黒い肌に真っ白な髭を蓄えた老文官が立っていた。
顔の皺や白髪から、かなりの高齢と窺える。しかし背筋はまっすぐ伸びており、荀彧とほぼ同じ目線だった。
何より、その品格ある面差しは、荀彧にとってどこか懐かしさを感じさせるものであった。
「ああ……やはり……!」
振り返った荀彧の顔を認めると、老文官は嬉しそうに破顔した。
「私だ。荀慈明だよ」
「あ……っ!」
名を聞き、荀彧の顔色が変わった。慌ててその場に畏まる。
「叔父上…………っ、慈明殿!お久しゅうございます」
「いやいや、構わぬ。どれ……もっとよう顔を見せてくれ」
「はい!」
荀爽に促され、荀彧は顔を上げた。
最後に会ってから、実に二十年近い月日が流れている。記憶の中の荀爽はまだ壮年で、色白且つ、髪も髭も黒曜石のような色だった。一目では気づけないほどの様変わりも、当然ではある。
しかし改めて見れば、肌色以外は晩年の父に面影が似ていた。白髪はともかく、肌は南方での隠遁生活のうちに日焼けしてしまったためか。
「それにしても、なんという男ぶりか……いや、兄上かと思うたよ」
愛らしい幼子だった甥の成長ぶりに、荀爽は目を細めた。
幼少の頃より片鱗は見せていたが、目の前の青年からは一目で、類稀なる聡明さを感じさせる。
その端整な面立ちは、荀彧の父であり自身の兄、荀緄の若かりし頃と重なった。
「ああ、ちょうどよい。今から公達たちに会いに行くところだったのだ。お前も一緒にどうだ?」
「公達、殿……ですか!?」
その名が飛び出した瞬間、荀彧の瞳が輝いた。
「は、はい!ぜひお願いします!」
彼の背を追いかけて幾星霜だろう。やっと、会えるのだ。
「ああ、いたいた……」
荀爽の案内で辿り着いたのは宮殿南宮、玉堂前殿側面に位置する中庭だった。
池の近くの壁で、三人の男性が何事か喋っているのが見える。そのうちの一人に向かい、荀爽は声を張り上げた。
「公達!」
荀爽の呼びかけに、三人のうちで最も若そうな輪郭の、そして小柄の男性が振り返る。
こちらに向いた顔を見た瞬間、荀彧はこみあがる気持ちを抑えきれず、その名を呼んだ。
「公達殿……!」
見送ってから、実に十年近くは経っただろうか。
成人当時と違い、無精髭の目立つ顔には貫禄が滲んでいる。
それでも、見間違えようはずもなかった。
「文若……殿!?」
自分の目の前に現れた、見目麗しい青年。誰であるかを悟った瞬間、荀攸の目が見開かれた。
「お久しぶりです、公達殿。ご息災のようで何より……」
無事に、そしてようやく再会できた喜びに、自然と荀彧の顔が綻んでいく。
荀攸は茫然とした面持ちで、その曇りなき美貌を見上げた。
「……なんと、ご立派になられたのか」
絞り出された荀攸の声に、感慨が滲む。自分よりも頭一つ高い美青年となったその姿に、見惚れた。
「いいえ、この通り背丈ばかり大きくなってしまいまして……あの、いかがなさいました?」
自分を見つめたまま押し黙ってしまった荀攸に、荀彧は怪訝な表情を返す。
「い、いえ。申し訳ありません」
荀彧の視線に気づいた荀攸は、慌てて頭を振った。
とんだ失態である。我を忘れて、無遠慮に見つめてしまうなど。
最後に月の下で語らった夜、確信は持った。自分など及ぶべくもない人となるだろうと。
それにしても、ではないか。気品と知性を備えた、涼やかな瞳。細面で凛とした顔立ち。すらりと伸びた肢体。何もかもが、想定以上に美しくなっている。
「なるほど、あんたが噂の荀彧殿か!」
荀攸を押しのけて、大柄な男が急に躍り出てきた。荀彧よりも相当背が高い。
「いやはやとんでもない見目麗しさよ!眩し過ぎて、こちらの目が潰れちまいそうだ」
「何顒殿!」
豪放磊落そのものに笑う男の腹を、荀攸は容赦なく突いた。しかし何顒と呼ばれたその男は、一向に動じる素振りを見せない。
迫力に一瞬圧倒されるも、荀彧は拱手の礼をした。
「名乗りもせず、失礼いたしました。潁川潁陰より参りました、荀文若と申します。以後お見知りおきのほどを」
「おっとこいつはご丁寧に。俺は何伯球ってんだ。よろしく頼むぜ」
「そして文若、こちらは王允殿だ。乱の平定の際は、この方の幕下に加えていただいてな」
「……王子師と申します」
荀爽の紹介を受け、やや生気のない顔立ちをした初老の男性が会釈をした。
「しかしなんだぁ……荀攸殿、本当に荀彧殿はお前と同族なのか?まるで違うではないか」
何顒は荀攸と荀彧、二人の顔を何度も見比べた。その露骨な視線を、荀攸は眉を顰めながら睨み返す。
「俺が荀家の者らしい風采を持っていないだけです。文若殿に失礼です」
「はあ、そうかいそうかい」
不機嫌な眼差しに、何顒は首を竦めた。今度は荀彧と荀爽を交互に見て、こちらは納得したように頷く。
「確かに、荀爽殿の甥御様と思えばしっくり来ますねぇ。どことなく似ておいでですよ」
「私の二番目の兄の子なのだが、何しろ驚かされたよ。若い時の兄が現れたかと……」
「ほほぉ、そうですか!荀家は名声だけでなく、見目も立派な人物が揃ってるんですなぁ……いやはや末恐ろしい」
何顒は何を思ったか、ずいっと顔を突き出して荀彧を見つめた。
「あ、あの……?」
「何顒殿、失礼です!」
初対面だというのに距離感も何もない何顒の行動に、荀攸は厳しい声を飛ばした。
しかしお構いなしとばかりに、何顒は戸惑う荀彧の容貌を眺め続ける。
「……ああ。本っ当に、いい顔立ちだ。単に整ってるってだけじゃなくな。人品の良さと賢さが滲み出てらぁ」
それまでの豪快且つ軽さを含んだ様子から一転、何顒の口ぶりは実に真面目なものとなった。
視線の奥には、隠し切れない鋭さと強かさがある。
「そうさな。あんたは自分が頂に立つ性質じゃねえ。その賢さは下についてこそ映えるだろうよ。王佐の才の持ち主……と見た」
「も、勿体ないお言葉です。ですが……今の私には」
荀彧は力なく首を振った。
たった今、玉座の間において、己の小ささを思い知らされたばかりである。
あまりにも幼い帝に、意のままに振る舞う佞臣。その構図をただ眺めるしかない無力な自分。
覚悟を決め、ようやく辿り着いて目の前にした現実は、荀彧を一度打ちのめすには十分な光景だった。
「まあまあ落ち込まんでくれ、今すぐってんじゃねえよ。あの董卓の下で粉骨砕身働くなんざ、俺だってまっぴら……」
「何顒殿」
それまで黙りこくっていた王允が、厳しめの口調で何顒を制してきた。
何顒も、ややばつの悪そうな顔を浮かべる。
「おっと悪い……じゃ、同族水入らずの中に俺達は邪魔だな。王允殿、退散しときましょうぜ」
「……では、皆様方。これにて失礼いたします」
王允は恭しく一礼すると、何顒と共にその場から立ち去っていった。
「すみませんでした。ああ見えても何顒殿は、尊敬に値する有能な方ではあるんです」
荀攸が申し訳なさそうに頭を下げた。荀爽も苦笑いしつつ、荀彧の肩に手をやる。
「無頼漢に見せているが、ここでは人物評価で名を売っている男でな。意外と繊細だし、人の善し悪しにはとかくうるさい。お前が気に入られて、叔父としては鼻が高いよ」
「もう少し、あの軽々しいところは直していただきたいのですが……」
「いえ、そのようなことは」
荀彧は苦笑しつつも首を振った。押しの強い人物ではあったが、さほどは気にならなかった。むしろ、内に隠した気骨にこそ好感を持った。
それ以上に、何顒と王允が話の途中で立ち退いてしまったことに、荀彧は責任を感じていた。
「こちらこそ、申し訳ありませんでした。私のせいで、何か大事な話の腰を折ってしまったのでは?」
「文若殿が気にすることはありません、別にそんな、大した話ではなかったので……」
「そう、ですか……」
元より感情が表に出る方ではないが、若干、荀攸の目が泳いでるように見える。
あまり立ち入ってほしくないという気配を感じた荀彧は、それ以上の追及は控えることにした。
「ところで文若、洛陽にはいつ到着したのだ?」
荀攸の気まずい表情を察してか、荀爽が当たり障りのない話題へと切り替える。
「はい、二日前です」
「そうか……すぐの出仕、ご苦労だったな」
「いえ……皆様が洛陽で身を粉にされている折に、何もお力になれず……申し訳ありません」
荀彧の言葉に、二人の表情が固まった。互いに顔を見合わせる。
「……すまぬ、文若」
先に口を開いたのは、荀爽の方だった。
「お前……無理矢理の推挙であったろう?」
「っ……」
何故それを、と聞く前に、今度は荀攸が言葉を続けた。
「董卓殿が政権を掌握された際、真っ先に行ったのは、ここ数年の人事の洗い出しでした。そこで、潁川からは数年推挙が途切れていたことを知られまして……」
『おい荀爽、荀攸!!』
董卓が宮中入りして間もなくのことである。
荀爽と荀攸は、二人して董卓に呼び出され、詰問を受けていた。
『貴様らの出身である潁川からは、ここ最近誰も出仕しとらんようだな!どういうことだ!?』
『申し訳ありません。恐らくは、潁川太守の目に敵う者が見当たらぬのでしょう……情けないことにございます』
荀爽は冷静な弁舌で乗り切ろうとしたが、対する董卓は含み笑いを浮かべる。
控えていた荀攸に見せつけるように、手にしていた書簡を広げた。
『……では荀攸よ、これはなんだ?』
紙に並んだ美麗な筆跡は、見覚えのあるもの。
『それは……っ、文若殿の!?』
『先刻、潁川からお前宛に届いたので、検めさせてもらったぞ。お前たちの同族だろう。流石は荀家、賢さが滲み出ておるわな』
『ぐ、っ……!』
個人間の、それも荀彧とのやり取りを勝手に見られたことに、激しい嫌悪が募る。
だが、これ以上取り乱すわけにもいかない。荀攸は拳を握り締めて、感情の行き場を抑えた。
『ただでさえこの洛陽は人材が枯渇しているのだ、潁川で暇を持て余すなど断じて許さんからな。こやつを召し出させる』
『お待ちください!彼はまだ若輩の身です。どうか故郷にて今暫く、任を続けさせてはいただけませぬか!』
『黙れぃ!!』
董卓は手にした荀彧の書簡を丸め、二人目がけて投げつけた。
『若輩だろうとなんだろうと構わん!陛下は幼少であらせられるのだ、陛下の御為にも身を削ってもらうぞ!』
『お、お願いです!お待ちください、董卓殿!』
慌てて荀爽は高笑いで去る董卓の後を追った。しかし最早、どうにもならないのは十二分に悟った。
『文若……殿……』
震える手で、荀攸は足元の書簡を拾い上げた。ぐしゃぐしゃにされたそれを広げ、中を見る。
何進が死んだ後の、自分たちの動向や安否を気遣う悲痛な文章。美しい筆致で綴られたそれを、ただぼんやりと眺めることしかできなかった。
彼が、洛陽に来る。来てしまう。
それは本来望んでいた、楽しみにしていたことのはずなのに。
どうしようもないほどの不安が、背中を這った。
「……そのような、ことが」
事の顛末を初めて知り、荀彧は茫然と立ち尽くした。
個人の書簡を勝手に見ただけでなく、その上であの脅しめいた推挙勧告の文書を送りつけてきたとは。
董卓という男の、傲岸不遜な性根を垣間見た思いである。
改めて、荀彧の背筋を薄ら寒い感覚が襲う。今、この宮中を掌握しているのは、つまりそういう男なのだ。
「陰修殿が推挙を渋っているのは把握していました。潁川出身の人と毎年顔を合わせる機会があったのに、ここ数年はありませんでしたから」
「はい……陰修様は、最後まで私が洛陽へ行くことに反対されていました」
荀彧は目を伏せた。洛陽へと旅立つ際、見送る陰修の悲愴な顔つきが、今も鮮明に思い出される。
「陰修殿を責めるなよ。彼がお前を洛陽入りさせなかった判断は、正しい」
同じ年長者として、荀爽には陰修の気持ちが痛いほど伝わった。
才ある若者を、その才が生かせるかどうかもわからぬ場所へ推挙せざるを得ない無念、如何ばかりであるか。
「俺達も、本当は貴方には来てほしくなかった」
「っ……公達、殿」
荀攸の言わんとしている意味は理解できる。
それでも、いきなり突き放されたような心地がして、荀彧の胸は締めつけられた。
「し、失礼しました。本来なら、文若殿がお越しくださったのは喜ばしいのです」
荀攸とて、荀彧が推挙されたことを諸手を挙げて喜びたかった。状況が、歓迎できないだけだ。
自分が出仕した頃であれば、見込みはあったかもしれない。既に朽ちかけてはいたが、まだこの国にも舵を取る術はあった。
しかし、深刻な飢饉からの大規模な乱。そして、宮中において空しく繰り返される権力抗争。
今の荒んだ洛陽では、どれだけ優秀な人材であろうと、何が成せるというのか。潁川において静かに粛々と才を尽くす方が、どれだけ本人のためになったであろう。
洛陽の騒乱を十年見続けてきた者として、そう思わずにはいられなかった。
「……文若。お前は何の役職を仰せつかったのだ」
ふと気になって、荀爽は訊ねてきた。
「はい、守宮令にございますが……」
「「守宮令!?」」
荀攸と荀爽の声が、驚きで重なった。
「なんと……文若には、他に相応しい役目があろうというのに……」
守宮令は、帝をはじめ、宮中の者らが使う紙や筆などを管理する立場だ。その意味では、顕官ともいえる。
しかし、どうあがいても職務自体は地味で退屈なものでしかない。荀彧の聡明な才を生かせる場とは、到底思えなかった。
「いえ……陛下や皆様の御手に触れる大切な紙と筆ですから。精一杯、務めを果たします」
「は、い……」
違和感が、荀攸の頭を掠めた。
いったいどういう真理か。わざわざ指名して無理に推挙させておきながら、あえて役不足な職務を押しつけるとは。
名士を要職に取り込むことで、各所からの反発を抑える。それが董卓の狙いだった筈だが、そこから逸脱した人事にしか思えない。
「……っ」
色々考えを巡らせているうちに、ひとつの不安が生じた。
守宮令の職務の場は、宮中でも奥まった場所だと記憶している。洛陽に来たばかりの頃、一度だけ立ち入ったことがあった。
湿気が籠らないよう設けられた風通しの窓がある以外、入口はひとつだけ。ある種、隔離部屋といってもいい。
もしも、あのような狭い場所に押し込められたら。誰かが来ない限りは――――
「……公達殿?いかがなさいました?」
「い、いえ。何でもありません」
荀彧に心配そうに問われ、反射的に荀攸は首を振った。
馬鹿げた考えだし、荀彧に対して、侮辱もいいところである。彼は歴とした男性なのだから。
まして董卓といえば美女に目がない。いくらなんでも、と思い直す。
しかしそれでも、荀攸の心はどうにも晴れない。贔屓目なのかもしれないが、今の荀彧はあまりにも眩しく、美しく映るのだ。
この比類なき見目の麗しさが、彼にとって災いとなりはしないか。そんな思いが、拭えなかった。
「文若殿……董卓殿にはお気をつけ下さい。恐らく、この国にとって益とはならぬお人です」
当たり障りのない忠告しかできない。そんな己が、荀攸はもどかしくてならない。
「御忠告、胸に刻みます」
荀彧は荀彧で、董卓の危険性は十分察知している。ただし、あくまでも一般的な危機感として、荀彧は言葉を受け取った。
それが荀攸の真意からは離れていることに、気づくことはなかった。
2018/05/31